今日の1枚#15「黄昏ホリック」

緻密な曲作りでおなじみのmillstonesさんによるアルバム「黄昏ホリック」。昨年11月にボーマス14で頒布されたアルバムですが、当日は仕事と重なってしまったため入手出来ず、今年4月くらいに何とか通販で入手。6月のボーマス16でも頒布されてました。実はエントリ自体は5月に書いていて下書きのまますっかり忘れてました。せっかくなので手直しして晒します。

millstonesさんを知ったのは、ニコ動でたまたまチェックした日刊ボカラン#679でピックアップされていた計画都市を見てから。PCからそれも動画サイトの再生にもかかわらず衝撃の音質で、これまでボカロ系の音楽は音質が残念なのが当たり前だと思ってたのですが、そんな思い込みが崩された出会いの曲で、それ以来すっかりファンです。

黄昏ホリック
  1. Soaring into the Sky
  2. 五月少女 feat.初音ミク
  3. Railroad Crossing feat.GUMI,巡音ルカ,初音ミク
  4. Arbitrary Utopia
  5. 旅鳥クロニクル feat.巡音ルカ
  6. 無意識の回廊
  7. 7
  8. 計画都市 feat.初音ミク
  9. noctiluca
  10. Theory of Nothing
  11. pseudoresurrection
  12. 可能世界のロンド feat.初音ミク
  13. 黄昏ホリック feat.GUMI
  14. 未来紀元歴元年 feat.GUMI
  15. ワルツ第1番「 」
パッケージはごく普通のCDケースで、イラストはアルバムタイトルのキーワードである黄昏を意識させる色使い。描かれているキャラクターは黄昏ホリックか旅鳥クロニクルの登場人物なんでしょうか?

曲の構成は、シークレットトラックを含めると全15曲。内VOCALOID曲は7曲と、思っていたよりずっとインスト曲が多い構成。Voはミク、ルカ、GUMIを使い分けられています。調声は標準的といったところ。

millstonesさんというとドラムンベースのイメージが強かったのですが、ドラムンベース以外にハウス、アダルトコンテンポラリー、フュージョン、イージーリスニングといった感じで思っていたよりバラエティに富んだ構成でした。どんな曲調でも、強めのキック、歌うベース、多彩なリズム展開、ピアノソロパートといった“らしさ”が全開ですね。


ニコ動で公開されている曲は全て事前に聞いており、ニコ動でも相当に音が良かったので、当初より音には期待していたのですが、想像以上に気持ちいい音でした。

先ずリズムセクションが素晴らしい。スネアやシンバルのような高域の抜けがよくて、小気味良くスカッと聞かせてくれます。一方低域については、キックが結構強めのバランス。重量感というかエネルギーを感じる素晴らしいキックですね。かなり低域の音色も楽しませてくれるベースもいいです。こんなふうに書くとドンシャリに思われるかもしれないけど、低音ズンズンなだけの下品さは無く、メリハリの効いた絶妙なバランスかと。変拍子の入り混じる複雑なリズムでも自然に気持ちよく聴かせます。

ちなみに、再生環境はあまり選ばない感じで、DAPでもオーディオ環境でも印象はほとんど変わらず気持ちよく聴けます。自宅だとDLIII+SR-007という音場重視の環境でも音場感はほとんど感じず、平面的な鳴りかたですね。音は気持ちいいのに脳が蕩ける感じが無いのはその辺りもあるのかな。音がいいというよりも、極度にキレのある音ということなのかもしれない。


曲調は、大げさに盛り上げる情感的な曲は無いので、淡々とした印象を受けるんだけど、決して単調ではないです。むしろ多彩なリズム展開、各パートの絡み、そしてピアノやシンセなどのソロパートが絡み合って色々な表情をみせます。キッチリカッチリ計算して構築された感がいかにもDTMっぽく感じる側面は若干あるものの、大半の曲に挿入されているピアノソロパートや、楽器の掛け合いパートについては、計算されたというよりはインプロヴィゼーションのような熱さを感じました。クールな中にも熱を帯びている。そんな感じ。


歌詞は全てmillstonesさん自信によるものですね。世界・現実・未来といったキーワードについて傍観者目線で抽象的に語られるのが印象的。あまり歌詞について深く考えない自分なんですが、思わずその意味について考えてしまいます。まぁmillstonesさんのblogで解説とか見ないと理解は出来ないんだけどね。


個人的には一生ものの名盤なんですが、ボカロモノとして他に薦められるかというと難しいところ。ポップな曲(強いてあげるとしたら五月少女とロンドでしょうか)は皆無で、ドラムンベースやハウスがあるといってもダンスミュージックと言えるほどダンサブルではありません。更にインスト曲が半分と、一般の人には薦めにくい要素満載。とはいえ、このキレキレで気持ちいいサウンドを聴かないのは損としか言い様がありません。殿堂入り曲(計画都市、可能世界のロンド、カガリビト)が少しでもいいと思った方は是が非でも入手すべきでしょう。WEB経由で入手する音源とは音が段違いです。

最後に
今週末のボーマス18には新譜が頒布される模様。今回の本命はこれですな。


以下、よく聴く曲からいくつかピックアップ

2.五月少女
昨年の5月くらいにニコ動で公開された爽やかなハウス。収録曲の中では最もポップな曲。とにかくミクvividが可愛い。終盤のジャジーなピアノソロからスラップベースが絡むパートが好み。天気のいい日に窓を空けてこの曲を聴いていると本当に五月少女が来てくれそうな気がします。今の季節には合わないかもしれないが…

8.計画都市
millstonesさんがブレイクするキッカケとなった一曲でクールなドラムンベース。ニコ動をPCで再生しても驚愕の音でしたが、CD版は更に高音質。解説無しに歌詞の意図が分からなかった(汗

9.noctiluca
ドラムンベースインスト。ニコ動でドライブゲーム向けインスト詰め合わせととして公開されていた動画の2曲目。なんとなく次曲とのコンボが好きでなぜか10曲目とセットで聴いてしまう。

10.Theory of Nothing
ピアノとシンセパートのインプロヴィゼーション応酬が熱いフュージョン。超お気に入り。

12.可能世界のロンド
millstonesさんがニコ動でブレイクした曲。曲と直接関係無いのですが、ブラザーPまさたかPというMMD PVのPとしては双璧と言ってもいいお二人がほぼ同じタイミングでこの曲のPVを制作・公開されたその偶然と可能性に痺れた。

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